朝起きて、体重計に乗る。
数字が前日より2キロ増えていることに驚き、すぐさま断食する。そして、翌朝には逆に2キロ減っていて安心して心の中でつぶやく。「私の体重管理は完璧」。こんな経験は誰にでもあるでしょう。
しかし、それは大きな勘違いです。
実際の体重変動はほんのわずか
実際の体重は、一日に数グラム~数十グラム程度しか増減しないのです。つまり、1日単位でのキロ単位の変化は、筋肉や体脂肪の変動ではなく、水分や食べた物の重さの一時的な変動に過ぎません。
冒頭の「2キロ」は、成人男性の上腕(肩から肘)の重さに相当します。それだけの質量のものが人体から1日のうちに増えたり減ったりすることは考えられないでしょう。
人間は1日に2~4リットル程度の水を飲みます。飲めば当然、その分体重は増えます。
特に塩分を多く含む食事を取った後には、体が水分を保持しようとするため、水の排出が一時的に滞ることがあります。これがいわゆる「水太り」です。ただ、これも時間の問題です。
食事も同様で、1kgのラーメンを食べれば1kg増えます。体重は徐々に元に戻っていく。このように、体重計の数字はその瞬間の体に溜まっている物質の状態を反映しているに過ぎないのです。
ダイエットは長期戦略
実際のところ、体重計の数字の短期的な変動に振り回される必要はありません。幸か不幸か、体重はほんのわずかしか変わらないのです。
ダイエットの研究に参加しているか階級制競技の選手でもない限り、体重計に乗るのは同じ時間帯・条件で週1回程度で十分です。
1週間単位でみることで、より正確な体重管理が可能となります。1週間単位でみて増えていたらカロリーオーバーでしょうし、体重当たり週100g~500g程度の適切なペースで減っていたら上手くいっている証拠です。
「適切なペース」と書いたのは、逆に減らし過ぎも良くないから。標準的な体型の人が1週間に1kg以上のペースで減っていたとしたら、それは余分な水分や脂肪以外の、大切な筋肉まで削いでいる可能性が高いのです。